介護分野の場合、入会申請から入会証明書が出るまでの日数は、事務局がはっきり書いている。
通常は入会申請後、事務局窓口での確認が完了し、厚生労働省における確認を経て、2〜3週間で入会証明書を発行いたします。
しかもこれは、書類に不備がなかった場合の話である。同じQ&Aは「申請内容によっては事務局窓口より差戻しをさせていただく場合があり、その場合は差戻事項にご対応いただくまで確認完了となりません」と続ける。祝日を挟む週はさらに延びる。
差戻しが1回入れば、1か月近い。入社日から逆算すると、協議会への申請は入管への申請より1か月前に置いておきたい。そう考えると、実務上の順番はこうなる。
- 協議会へ入会申請(必要書類を揃えて提出)
- 入会証明書が届く(2〜3週間、差戻しがあればさらに)
- 入管へ在留諸申請(誓約書と、有効期限内の入会証明書を添える)
- 就労開始
- 就労開始後4か月以内に、協議会へ本人の情報を登録
5番を忘れる会社が多い。入会して証明書をもらった時点で終わった気になるが、本人の登録は別の手続きである。
いちばん誤解されているのがここだと思う。入会は法人単位に見えて、実際に効いているのは事業所である。介護分野の事務局はこう書いている。
協議会で確認が完了した事業所の情報は、入会証明書に登録されます。入会証明書に登録されていない事業所での特定技能外国人の受入れ(異動を含む)はできません。
異動を含む、という4文字が重い。本部で入会証明書を取っていても、新しく開設した施設や、証明書に載っていない事業所へ本人を移すことはできない。移すには、その事業所を先に登録して申請し直す。
多施設を運営していて、人手が足りない施設へ融通する前提で採用した——という設計をしていると、ここで詰まる。採用の前に、受け入れる可能性のある事業所をすべて登録しておくほうが早い。
入会証明書には期限がある。介護分野では、初回発行時が1年間、更新後は4年間。更新の申請は、有効期限の4か月前から可能である。
初回が1年しかないのは見落としやすい。1人目を受け入れた翌年、2人目の申請をしようとしたら証明書が切れていた、という順番はいかにもありそうである。更新手続きの間も、期限を過ぎた証明書は無効として扱われる。
なお、入会費と年会費はかからない。介護分野の事務局は「入会費、年会費などの費用はかかりません」と明記している。協議会そのものにお金は要らない。手続きはすべて協議会申請システム上で行い、FAXや郵送は受け付けていない。
ここまで具体的な日数や期間を書いてきたが、これらは介護分野の数字である。協議会は分野ごとに設けられていて、所管する省庁も事務局も別々に動いている。介護は厚生労働省(事務局は公益社団法人国際厚生事業団)、宿泊は観光庁、といった具合に分かれる。
したがって、必要書類も、審査にかかる日数も、証明書の有効期間も、分野ごとに確かめ直すことになる。「介護で2〜3週間だったから外食も同じだろう」と当て込むと、逆算が狂う。
共通しているのは、2024年6月15日以降は在留諸申請の前に構成員になっている必要があるという一点である。そこだけは分野を問わず動かない。
支援を委託する場合、協議会の手続きも一緒に見てもらえることが多い。ただし、協議会に入るのは受入企業自身である。支援機関が代わりに構成員になるわけではない(支援を全部委託されている登録支援機関は、登録支援機関として別に構成員となる)。
委託するときに確認しておくと、後で揉めにくい点が3つある。
- 協議会への入会申請を、いつ着手してくれるのか。内定後か、内定前か
- 受け入れる可能性のある事業所を、最初から全部登録してくれるのか
- 就労開始後4か月以内の本人登録を、どちらがやるのか
3つめは特に曖昧になりやすい。入会までは支援機関、その後は自社、という分かれ方をしていると、4か月を過ぎてから気づくことになる。
過ぎてしまった場合について、介護分野の事務局は「4か月を過ぎてしまった場合も手続きに変更はありませんので、速やかに入会手続きを行ってください」と書いている。取り返しがつかないわけではない。ただ、気づかないまま次の採用に進むと、同じ穴をもう一度踏む。
採用の逆算表を作るとき、入管への申請日から1か月前に「協議会」と書き入れておく。それだけで、この記事に書いたことの大半は避けられる。