外国人採用のコストは高い?特定技能・育成就労と人材紹介・求人広告・派遣を徹底比較

「外国人採用はコストが高そう」というイメージは、比較対象を並べると変わります。国内在住の特定技能人材の採用は初年度1人あたり約34〜78万円が目安で、人材紹介経由の中途採用(約90〜120万円)を下回るケースが多くあります。本記事では採用手法別の1人あたり年間総コストを、一次情報に基づいて横並びで比較します。

内容確認基準日:2026年7月18日執筆:ヤトエル運営チーム出典:出入国在留管理庁・厚生労働省

結論:採用手法別コスト早見表

採用手法ごとの1人あたりコストの目安です。金額は企業規模・地域・委託先によって変動するため、幅を持たせて記載しています。

採用手法初期費用ランニング費用初年度総額目安
特定技能(国内在住者の採用)約10〜30万円支援委託費 月2〜4万円/人(業界平均 約2.8万円)約34〜78万円
特定技能(海外からの呼び寄せ)約30〜60万円支援委託費 月2〜4万円/人約54〜108万円
育成就労(監理支援機関経由)約50〜145万円監理費 月2.5〜5万円/人約80〜205万円
中途採用(人材紹介)理論年収の30〜35%(約90〜120万円/人)なし(早期離職時は返金規定次第)約90〜120万円
求人広告(中途・パート)約20〜100万円/キャンペーン掲載更新費採用数次第(成果不確実)
派遣ほぼなし時給換算で直接雇用の約1.3〜1.5倍フルタイム換算 約350〜500万円

※ 給与・社会保険料など雇用そのものにかかる人件費は全手法共通のため除外し、採用・受け入れに固有の費用のみを比較しています。備考:特定技能(国内在住者の採用)=在留資格変更のみで呼び寄せ費用が不要。転職市場からの採用/特定技能(海外からの呼び寄せ)=送出機関費用・渡航費・在留資格認定申請費用を含む/育成就労(監理支援機関経由)=講習費・送出費用等を含む。3年かけて特定技能へ移行する育成前提/中途採用(人材紹介)=採用単価は高いが即戦力。人手不足職種は候補者確保自体が困難/求人広告(中途・パート)=応募が集まらないと費用が沈む。人手不足職種では掲載費が高騰傾向/派遣=短期の穴埋めには合理的だが、長期・複数名では最も割高になりやすい

特定技能採用のコスト内訳

特定技能のコストは「初期費用」と「毎月の支援委託費」の2階建てです。 初期費用には在留資格申請の取次報酬(行政書士・登録支援機関、約10〜20万円)、健康診断・事前ガイダンス費用などが含まれます。 海外から呼び寄せる場合は、送出機関への手数料や渡航費が加わり約30〜60万円まで上がります。

毎月の支援委託費は、出入国在留管理庁の調査で1人あたり平均約2.8万円/月です。 義務的支援のみか生活支援まで含むかで月1.5万円台〜4万円超まで幅があるため、複数機関からの見積もり比較が最も効果的なコスト削減策になります。

詳しい内訳は費用ガイド(特定技能・育成就労の費用内訳)をご覧ください。

育成就労採用のコスト内訳

育成就労(技能実習から移行する新制度)は、監理支援機関への加入・監理費、送出機関費用、入国後講習費などで初期費用約50〜145万円、監理費月2.5〜5万円/人が目安です。 特定技能より高くなりますが、未経験人材を3年かけて育成し特定技能1号へ接続する長期定着前提の投資という位置づけです。

制度の詳細は育成就労制度ガイド、技能実習からの移行手順は特定技能への移行ガイドで解説しています。

国内採用(人材紹介・求人広告・派遣)のコスト

人材紹介は理論年収の30〜35%が成功報酬の相場で、年収330万円の人材なら約100万円です。 即戦力を1名だけ確保したい場合には合理的ですが、介護・外食・建設など人手不足が深刻な職種では、そもそも候補者が集まらず採用に至らないことが課題になります。

求人広告は1キャンペーン約20〜100万円で、応募が集まらなければ費用が沈む成果不確実型です。 派遣は初期費用こそ不要ですが、時給換算で直接雇用の約1.3〜1.5倍となり、フルタイム1名を1年間充当すると約350〜500万円に達するため、長期・複数名の人員確保では最も割高になりやすい手法です。

つまり「継続的に複数名の現場人材を確保する」目的では、特定技能・育成就労の総コストは国内採用手法と比べて十分競争力があります。

コスト以外で比較すべき3つの視点

採用の確実性
人手不足職種では国内採用は応募ゼロのリスクがある一方、特定技能は送出国側に候補者プールがあり、計画的な人数確保がしやすい。
定着率
特定技能は転職(転籍)が可能なため待遇・支援品質が定着を左右する。育成就労は3年間の育成前提で当面の転籍が制限され、定着性が高い。
社内工数
特定技能は義務的支援を登録支援機関へ委託でき、社内工数を抑えられる。自社支援(内製)に切り替えると委託費は減るが工数と専門知識が必要。

助成金でどこまで下がるか

外国人労働者の就労環境整備に取り組む企業は、人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)で経費の1/2〜2/3・最大72万円の支給対象になり得ます。このほか賃上げを伴う設備投資には業務改善助成金(最大600万円)、非正規から正規への転換にはキャリアアップ助成金(1人最大80万円)など、外国人にも適用される制度があります。

各制度の要件・対象になるケースは外国人雇用で使える助成金ガイドで一覧比較できます。

よくある質問

特定技能の採用は人材紹介より本当に安いのですか?
1人あたりの初年度総コストで比較すると、国内在住の特定技能人材の採用は約34〜78万円、人材紹介経由の中途採用は約90〜120万円が目安で、特定技能のほうが低くなるケースが多いです。ただし特定技能は支援委託費が毎月継続するため、2年目以降も月2〜4万円/人のランニングコストがかかる点を含めて比較する必要があります。
外国人採用のコストを下げる方法はありますか?
主に3つあります。(1)海外からの呼び寄せではなく国内在住者(留学生・転職者)を採用して初期費用を抑える、(2)複数の登録支援機関から見積もりを取り支援委託費を比較する(月1.5万円台〜4万円超まで幅があります)、(3)人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース・最大72万円)など該当する助成金を活用する、です。
育成就労は特定技能より高いのになぜ選ばれるのですか?
育成就労は未経験人材を3年かけて育成し特定技能1号へ移行させる制度で、転職リスクが当面低く、長期定着を前提とした人材確保ができる点が評価されています。特定技能は即戦力ですが転職(転籍)が可能なため、地方や中小企業では育成就労で若手を確保する戦略が採られることがあります。
支援委託費の相場はいくらですか?
出入国在留管理庁の調査では、登録支援機関へ支払う支援委託費は1人あたり月額平均約2.8万円です。実際には月1.5万円台から4万円超まで幅があり、支援内容(義務的支援のみか、生活支援・翻訳対応まで含むか)によって異なります。金額だけでなく支援範囲を確認して比較することが重要です。

出典(一次情報)

自社の場合の費用と助成金候補を30秒で無料診断

会社名またはURLを入力すると、受け入れ費用の目安・使える助成金候補・対応できる支援機関をまとめて診断します。