外国人採用のコストは高い?特定技能・育成就労と人材紹介・求人広告・派遣を徹底比較
「外国人採用は高い」——そう感じてこのページを開いた方は多いはずです。私たちも最初はそう思っていました。ところが、人材紹介の成功報酬(約90〜120万円)と国内在住の特定技能人材の初年度総額(約34〜78万円)を同じ表に並べてみると、高いのはむしろ国内の中途採用のほうでした。ではなぜ「高い」という印象だけが先に広まったのか。答えは費用の「見え方」にあります。
結論:採用手法別コスト早見表
先に表を置きます。金額は企業規模・地域・委託先によって動くので幅で示していますが、幅の上端同士・下端同士で見比べても、順位はほとんど入れ替わりません。
| 採用手法 | 初期費用 | ランニング費用 | 初年度総額目安 |
|---|---|---|---|
| 特定技能(国内在住者の採用) | 約10〜30万円 | 支援委託費 月2〜4万円/人(業界平均 約2.8万円) | 約34〜78万円 |
| 特定技能(海外からの呼び寄せ) | 約30〜60万円 | 支援委託費 月2〜4万円/人 | 約54〜108万円 |
| 育成就労(監理支援機関経由) | 約50〜145万円 | 監理費 月2.5〜5万円/人 | 約80〜205万円 |
| 中途採用(人材紹介) | 理論年収の30〜35%(約90〜120万円/人) | なし(早期離職時は返金規定次第) | 約90〜120万円 |
| 求人広告(中途・パート) | 約20〜100万円/キャンペーン | 掲載更新費 | 採用数次第(成果不確実) |
| 派遣 | ほぼなし | 時給換算で直接雇用の約1.3〜1.5倍 | フルタイム換算 約350〜500万円 |
※ 給与・社会保険料など雇用そのものにかかる人件費は全手法共通のため除外し、採用・受け入れに固有の費用のみを比較しています。備考:特定技能(国内在住者の採用)=在留資格変更のみで呼び寄せ費用が不要。転職市場からの採用/特定技能(海外からの呼び寄せ)=送出機関費用・渡航費・在留資格認定申請費用を含む/育成就労(監理支援機関経由)=講習費・送出費用等を含む。3年かけて特定技能へ移行する育成前提/中途採用(人材紹介)=採用単価は高いが即戦力。人手不足職種は候補者確保自体が困難/求人広告(中途・パート)=応募が集まらないと費用が沈む。人手不足職種では掲載費が高騰傾向/派遣=短期の穴埋めには合理的だが、長期・複数名では最も割高になりやすい
特定技能採用のコスト内訳
表の中で特定技能だけ、なぜ「国内」と「海外」で金額が分かれているのか。理由はコストが「初期費用」と「毎月の支援委託費」の2階建てになっていて、変動するのはほぼ初期費用側だけだからです。 国内在住者なら在留資格申請の取次報酬(行政書士・登録支援機関、約10〜20万円)と健康診断・事前ガイダンス費用程度で済みますが、海外からの呼び寄せは送出機関への手数料と渡航費が乗って約30〜60万円まで上がります。
では毎月の支援委託費はどうか。出入国在留管理庁の調査では1人あたり平均約2.8万円/月。この数字だけ見ると安定していそうですが、実際の見積もりは月1.5万円台から4万円超までばらつきます。差の正体は義務的支援のみか生活支援まで含むかという範囲の違いなので、同じ範囲条件で複数機関から見積もりを取ることが、もっとも効くコスト削減策になります。
詳しい内訳は費用ガイド(特定技能・育成就労の費用内訳)をご覧ください。
育成就労採用のコスト内訳
早見表でひとつだけ突出して高いのが育成就労(技能実習から移行する新制度)です。監理支援機関への加入・監理費、送出機関費用、入国後講習費などで初期費用約50〜145万円、監理費月2.5〜5万円/人。これだけ見ると選ぶ理由がなさそうに思えます。ただ、この金額は即戦力の採用費ではなく、未経験人材を3年かけて育成し特定技能1号へ接続するための育成費込みの値段です。比べる相手は人材紹介の成功報酬ではなく、「3年いてくれる人を育てるコスト」のほうです。
制度の詳細は育成就労制度ガイド、技能実習からの移行手順は特定技能への移行ガイドで解説しています。
国内採用(人材紹介・求人広告・派遣)のコスト
では見慣れた国内手法の側はどうか。人材紹介は理論年収の30〜35%が成功報酬の相場で、年収330万円の人材なら約100万円。即戦力を1名だけ確保したい場合には合理的です。ただ、介護・外食・建設では報酬を払う以前の問題があります。そもそも候補者が集まらないのです。
求人広告は1キャンペーン約20〜100万円で、応募が集まらなければ費用が沈む成果不確実型です。 派遣は初期費用こそ不要ですが、時給換算で直接雇用の約1.3〜1.5倍となり、フルタイム1名を1年間充当すると約350〜500万円に達するため、長期・複数名の人員確保では最も割高になりやすい手法です。
冒頭の「外国人採用は高い」に戻ると、あの印象の正体が見えてきます。特定技能は支援委託費が毎月目に見える形で発生する一方、人材紹介の100万円は一度払えば請求書から消え、求人広告の沈んだ費用は採用コストとして集計さえされないことが多い。見える費用と見えない費用の差が、「高そう」の正体でした。継続的に複数名の現場人材を確保する目的なら、総額では特定技能・育成就労に十分な競争力があります。
コスト以外で比較すべき3つの視点
助成金でどこまで下がるか
ここまでの金額はすべて「定価」です。ではそこからいくら引けるのか。外国人労働者の就労環境整備に取り組む企業は、人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)で1制度20万円・上限80万円の支給対象になり得ます。初年度総額の目安34〜78万円に対して、最大でほぼ半分が戻る計算です。このほか賃上げを伴う設備投資には業務改善助成金(最大600万円)、非正規から正規への転換にはキャリアアップ助成金(1人最大80万円)など、外国人にも適用される制度があります。
各制度の要件・対象になるケースは外国人雇用で使える助成金ガイドで一覧比較できます。
よくある質問
特定技能の採用は人材紹介より本当に安いのですか?
外国人採用のコストを下げる方法はありますか?
育成就労は特定技能より高いのになぜ選ばれるのですか?
支援委託費の相場はいくらですか?
出典(一次情報)
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