特定技能自社支援一部委託費用切り替え

特定技能の自社支援の要件|一部委託・全部委託との違いと切り替え手順

内容確認基準日:2026-09-16

約9分で読めます

この記事のポイント

  • 自社支援は可能ですが、実績・担当者・言語・記録・面談などの基準を満たす必要があります。
  • 初めて外国人を雇う会社でも、役職員の生活相談経験など別のルートを確認できます。
  • 一部委託では支援体制の基準は免除されず、定期面談・行政機関への通報を外部へ委託できません。
  • 費用は委託料だけでなく、社内の人件費・通訳・交通費・引き継ぎ費用を含めて比べます。
  • 2027年4月から常勤・講習・支援人数等の要件が変わるため、現行条件と分けて準備します。

特定技能1号の支援は、自社で行うことも、登録支援機関へ全部を委託することもできます。判断する順番は、自社の支援体制が基準を満たすか → どの業務を誰が担うか → 人件費を含めた総費用はいくらかです。一部だけ外注しても、自社に必要な支援体制の基準が免除されるわけではありません。

この記事は、受入企業が自社の従業員を支援する場合を扱います。他社の外国人を支援する登録支援機関の開業要件とは別です。2026年9月16日時点の制度をもとに、2027年4月1日からの変更は後半で分けて説明します。

自社支援・一部委託・全部委託の違い

表は横にスクロールできます

比較項目自社支援自社支援+一部委託登録支援機関への全部委託
支援体制の基準自社で満たす自社で満たす支援計画の全部を委託すると、支援体制の基準を満たすものとみなされる
支援の実施自社の担当者が行う自社と委託先の担当範囲を明確にする委託を受けた登録支援機関が行う
定期面談・行政機関への通報自社が行うこの業務を第三者へ委託することはできない委託を受けた登録支援機関が行う
主な費用担当者の人件費、通訳、交通費、記録管理等左記に加えて、委託した業務の費用支援委託料、契約上の別途費用、社内の連絡調整等
比較時の確認適格な担当者・言語・継続体制があるか誰が何を実施し、記録するか対応地域・言語・人数・開始時期に合うか

自社支援のために、自社が登録支援機関として登録を受ける必要はありません。ただし、受入企業としての基準と、支援を適切に実施する体制の両方を確認します。全部委託しても、雇用契約の履行や受入企業自身の届出までなくなるわけではありません。

自社支援の要件は「企業の実績」だけで決まらない

特定技能基準省令第2条第2項では、実績・担当者、言語、記録、中立性、過去の支援義務の履行、定期面談の体制などが定められています。分野固有の基準も別に確認します。

実績の確認には3つのルートがある

表は横にスクロールできます

ルート確認する内容実績を説明する資料の例
イ:受入れ・管理の実績過去2年間に、対象となる中長期在留者の受入れ・管理を適正に行った実績があり、役員・職員から担当者を選任している受け入れた中長期在留者リスト
ロ:担当者の生活相談経験過去2年間に、対象となる中長期在留者の生活相談業務に従事した経験を持つ役員・職員から担当者を選任している担当者の履歴書、生活相談業務を行った中長期在留者リスト
ハ:同等の支援能力イ・ロと同程度に適正な支援を実施できるものとして認められる支援能力・体制の説明書と立証資料。個別に審査される

会社として外国人を初めて採用することだけで、自社支援が一律に不可になるわけではありません。 企業自身の受入実績を確認するイと、役職員の生活相談経験を確認するロは別のルートです。該当する経験や体制があれば、その内容を資料で説明します。

一方、外国人の知人の相談に個人的に乗ったことや、ボランティア経験だけを「生活相談業務」の実績にはできません。求人情報を紹介しただけでも足りません。また、対象となる在留資格には範囲があり、留学生のアルバイト雇用歴を、そのままイの実績として扱わないでください。対象者・在留資格・担当した業務・時期を整理して確認します。

担当者は、外国人への指揮命令から中立であること

支援責任者と支援担当者には、その外国人を監督する立場にないことなどが求められます。部署名だけを変えても、実質的に指揮命令できる立場なら足りません。運用要領は、代表取締役や、その外国人が所属する部署を監督する長を、適格性がない例として挙げています。

2026年9月時点では、支援責任者と支援担当者の兼務は可能です。支援責任者は常勤を問わず、支援担当者は常勤であることが望まれるとされています。支援担当者は、外国人を就労させる事業所ごとに1名以上を選任します。2027年4月からは常勤等の要件が変わるため、今の条件だけで長期の体制を組まないことが大切です。

言語・記録・面談まで実施できるかを確認する

表は横にスクロールできます

確認項目用意する体制
本人が理解できる言語情報提供と相談対応の両方に対応する。必要なときに通訳を手配できる体制も認められる
支援の記録支援体制、委託契約、支援対象者、支援実施の記録を作成・保存する
定期面談原則3か月に1回以上、外国人本人と、その監督者の双方と面談する
担当者の継続性休職・退職・異動時も基準を満たせる代替体制を確認する
その他の基準過去の支援義務不履行や欠格事由、分野固有の条件を確認する

支援に関する文書は、雇用契約の終了日から1年以上、支援を行う事業所に備え置く必要があります。単にメモを残すだけでなく、実施日時・内容・担当者などを整理します。

定期面談はオンラインでも可能ですが、本人・監督者それぞれの同意、同意の記録、録画と保存などの条件があります。同意がない場合や対面を希望する場合は対面が必要です。「オンラインでつなげばよい」とせず、支援に関する運用要領の定期面談の項目を確認してください。

一部委託で任せられること、任せられないこと

自社で基準を満たしたうえで、通訳や生活に必要な契約の支援など、必要な業務を外部へ依頼する方法があります。契約では、委託する範囲と、自社に残る業務を明確にします。

注意したいのは、一部委託では「定期的な面談の実施・行政機関への通報」を第三者へ委託できない点です。「面談だけ外注すれば自社の担当者は不要」という設計にはできません。通訳の補助と、支援業務自体を外部へ任せることも区別します。

自社で支援体制の基準を満たせない場合には、登録支援機関への全部委託を検討します。基準を満たすとみなされる仕組みを使うには、当該外国人の支援計画全体の実施を一つの登録支援機関に委託します。一つの計画を複数社に分割して、同じ扱いを受けることはできません。

委託を受けた登録支援機関の再委託は禁止されています。ただし、支援を補助する通訳人等の活用は認められています。契約前には、名称や料金だけでなく、実際に支援する担当者・拠点・言語を確認しましょう。

費用は「委託料がなくなる額」ではなく総額で比較する

自社支援では外部の月額委託料を抑えられますが、担当者の勤務時間や通訳・交通費は残ります。全部委託でも、社内の連絡調整や、契約に含まれない実費がかかる場合があります。

比較は、同じ人数・支援範囲・期間で行います。次は相場や実測ではなく、計算方法を示す仮の例です。対象3名、担当者の時間単価を2,500円と仮定し、外部料金は税別、初期費用は別途とします。

表は横にスクロールできます

月額の計算例自社支援全部委託
外部への支援委託料0円20,000円×3名=60,000円
社内の対応時間20時間×2,500円=50,000円4時間×2,500円=10,000円
通訳・移動等の別途費用15,000円5,000円
合計65,000円75,000円

この仮定なら差は月10,000円です。しかし、自社対応が月28時間になると自社支援は85,000円となり、結果は逆転します。時間数は人数だけでなく、言語、勤務地、相談内容、担当者の経験によって変わるため、自社の記録で置き換えてください。初回の体制整備や引き継ぎ費用も含める場合は、同じ比較期間の総額に加えます。

義務的支援に要する費用は、直接・間接を問わず外国人本人に負担させることはできません。通訳費や送迎費などの支援費用と、必要な限度で本人が負担する住居の賃料等の実費を混同しないようにします。

見積もり比較シートで、委託範囲と別途費用を整理する

自社支援へ切り替えるときは、先に体制と引き継ぎを整える

月額費用だけを見て先に契約を解約せず、次の順番で準備します。

  1. 自社の実績ルート、担当者の中立性、言語・記録・面談の体制を確認する。
  2. 現在の契約の解約予告期間、最終請求、引き継ぎ範囲を確認する。
  3. 自社で支援を始める日を決め、支援計画と担当体制を整える。
  4. 支援記録・継続相談・次回面談の予定を引き継ぎ、本人に新しい相談先を伝える。
  5. 支援委託契約の終了、支援計画の変更について、該当する届出と添付資料を確認する。

支援計画の変更や委託契約の終了に関する届出は、原則としてそれぞれの事由が生じた日から14日以内です。随時届出は受入企業が行います。在留資格申請の取次とは別なので、登録支援機関に任せれば届出まで自動的に終わると考えないでください。

自社支援への切替時には、自社の支援体制を示す追加資料も確認が必要です。解約日、支援開始日、在留期限が近い場合は、支援に空白ができないよう管轄の入管と確認します。詳しい契約・引き継ぎ・届出の整理は、登録支援機関の変更手続きをご覧ください。

2027年4月1日から変わる支援体制も確認する

入管庁は、2027年4月1日から支援体制の要件を改正すると案内しています。2026年9月時点の条件と、施行後の条件を分けて準備してください。

表は横にスクロールできます

主な変更自社支援を検討する企業への影響
事業所ごとに、常勤の役員・職員から支援責任者と支援担当者を各1人以上選任兼務は可能。非常勤の責任者だけを前提とした体制は見直す
支援業務に従事できる者を支援責任者・支援担当者に限定実際に支援する職員と選任する職員を整理する
支援責任者の養成講習受講を義務化講習の案内と必要な受講時期を確認する
支援責任者・担当者1人当たりの1号特定技能外国人数を50人未満とする「50人まで」ではない。増員計画と担当人数を照合する

登録支援機関には、支援責任者・担当者1人当たりの委託元を10機関未満とする条件も示されています。これは自社支援の企業数条件と混ぜず、委託先が将来も必要な体制を維持できるかを確認する際に使います。

施行後の適用や手続きの詳細は、入管庁の改正概要と最新案内を確認してください。現在の受入れに、未施行の条件をそのまま適用するわけではありません。

自社に合う方法を選ぶための確認事項

適格な担当者と継続体制があり、支援内容を把握できているなら、自社支援も選択肢になります。一部委託で不足する業務を補う場合は、自社に残る責任を明確にします。基準や継続体制を満たせない場合は全部委託を検討し、同じ条件で費用を比べます。

委託先を比較する際は、分野・地域・言語・人数・希望開始月をそろえ、全部委託か一部委託か、担当範囲、別途費用を各候補へ確認してください。ヤトエルでは、候補の閲覧に連絡先の入力は不要です。相談する場合は送信前に相談先を確認でき、入力した連絡先は同意した相談先に共有されます。

条件に合う登録支援機関の候補を確認する

よくあるご質問

初めて外国人を雇う会社でも、自社支援はできますか?

初めてという理由だけで一律に不可とはなりません。役職員の生活相談経験のルートなどを含め、実績・担当者・言語・記録・面談等の基準を満たすか確認します。経験者が1人いれば、ほかの条件を満たさなくてもよいわけではありません。

自社支援にすると、必ず安くなりますか?

必ずではありません。外部の委託料に加え、社内の対応時間、通訳、交通費、記録管理、初期の体制整備を同じ期間で比較します。

定期面談だけ、登録支援機関に頼めますか?

自社支援を前提とする一部委託では、定期面談・行政機関への通報を第三者へ委託できません。全部委託の場合と区別してください。

自社支援から全部委託に戻すことはできますか?

可能です。新しい委託先の対応可否と開始日を調整し、支援計画・委託契約に関する必要な届出を行います。担当者の退職などで体制を維持できなくなった場合も、支援を途切れさせない対応が必要です。

出典・参考(一次情報)

あわせて読みたい関連記事

自社の場合の費用・助成金・支援機関を知りたい方へ

分野と条件を選ぶだけ。60秒でまとめて無料診断できます。

無料診断をはじめる

条件に合う支援機関に、まとめて相談できます

分野と地域を選ぶと、条件に合う機関が候補として出ます。 候補は連絡先を入力せずに確認できます。相談時に会社名・ご担当者名・メールアドレスと受入条件をご入力ください。電話番号は任意です。

  • 相談・見積もりの比較は無料です
  • 相談先は送信前に確認できます
  • 連絡先は同意した相談先にのみ共有します
  • 断っても費用はかかりません