「特定技能で受け入れる」と決めた時点では、1号と2号のどちらの話をしているのか、はっきりしていないことが多い。求人票にも紹介資料にも「特定技能」としか書かれていない。実際に届くのはほぼ1号なので、それで話は進む。
困るのは3年目か4年目である。本人が長く働きたいと言い出したとき、あるいは家族を呼びたいと相談されたときに、初めて2号という言葉が出てくる。
違いは細かく数えれば10以上あるが、受け入れる側の判断が変わるのは3点だけだ。
1号
在留期間は通算5年が上限。5年たったら、そのままでは働き続けられない。
2号
更新に上限がない。要件を満たして更新し続ける限り、在留期間の面では区切りが来ない。
通算という言葉が曲者で、「うちで働き始めてから5年」ではない。前の会社での期間も含まれる。転職して入ってきた人の残り年数が2年しかない、ということが起こる。
採用の前に
すでに特定技能1号で在留している人を採用するときは、残りの年数を本人と一緒に確認する。数え方は個別の事情で変わるので、判断は入管に確かめる。
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1号では、配偶者や子どもの帯同は基本的に認められない。2号では、要件を満たす場合に認められる。
この差は、定着を考えるうえで在留期間よりも効くことがある。5年間ひとりで働いてもらう前提と、家族と暮らしながら働いてもらう前提とでは、住まいの手配も、生活の支援も、本人の腰の据わり方も変わってくる。
ただし、2号があるのは一部の分野だけである。自社の分野に2号が用意されていなければ、その道はそもそも開いていない。「いずれ2号に」と口頭で言う前に、自社の分野を確かめたほうがよい。
1号で受け入れる場合、受入機関には支援計画を作って実施する義務がある。生活オリエンテーション、相談への対応、日本語学習の機会の提供といったものだ。自社でやってもよいし、登録支援機関に委託してもよい。2号にはこの義務がない。
委託費が月々かかるのは1号のあいだだけ、ということでもある。2号に進んだ人については、支援委託の契約を見直す余地が出てくる。契約が自動更新になっていると、義務が消えたあとも払い続けることになりかねない。
1号で5年働けば自動的に2号になる、という制度ではない。分野ごとに定められた試験に合格し、実務経験の要件を満たす必要がある。
- 自社の分野に2号があるかを確かめる
- その分野の試験の内容と、実務経験の要件を確かめる
- 本人が受験できる時期から逆算して、受験の準備に入る
- 在留資格の変更の手続きに進む
要件は分野ごとに違う。ここは「特定技能一般の話」で片づけられない部分なので、所管の窓口で自分の分野のものを見るしかない。
1号と2号の違いを調べにくる人の多くは、実は「うちは5年で区切るのか、長く働いてもらう前提でいくのか」をまだ決めていない。制度の表を眺めても、この問いには答えが出ない。
先に決めるのは自社の方針のほうである。長く働いてもらう前提なら、2号のある分野かどうかを今日中に確かめる価値がある。5年で区切る前提なら、支援計画をどこに委託するかのほうが先に効いてくる。
なお、在留資格が実際に認められるかどうかは出入国在留管理庁の審査で決まる。ここに書いたのは制度の枠組みであって、個別の可否の見通しではない。