月額平均28,386円は、2022年9月末の特定技能外国人70,404人分を人数ベースで集計した暫定値です。全国の登録支援機関を社数で平均した数字でも、2026年の見積もり平均でもありません。
出入国在留管理庁の公表資料は、登録支援機関へ有償で支援を委託した場合の月額を読むための重要な一次情報です。ただし、対象時点と集計単位を外して「現在の全国相場」として扱うと、見積もりを誤って評価します。
この記事では、28,386円という数字が何を数え、何を数えていないかに絞って解説します。現在の事業者回答、初期費用、1年間の総額を比べたい方は、登録支援機関の費用と相場をご覧ください。
出入国在留管理庁の支援委託料の公表資料には、特定技能外国人1人当たりの月額支援委託料の平均が28,386円と記載されています。
資料の注記まで読むと、集計の範囲は次のように整理できます。
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| 確認項目 | 公表資料の内容 |
|---|
| 対象時点 | 2022年9月末 |
| 対象者 | その時点で在留する特定技能外国人 |
| 対象となる契約 | 直近の特定技能1号の許可申請で、登録支援機関へ有償で委託するとされたもの |
| 集計単位 | 登録支援機関の社数ではなく、外国人1人当たりの月額 |
| 対象人数 | 70,404人 |
| 数値の扱い | 暫定値 |
同じ資料には2022年7月の意識調査に基づく別の項目もありますが、月額支援委託料の表は注1にある2022年9月末の申請情報が対象です。資料全体の調査名だけを見て時点を決めず、数値ごとの注記を確認する必要があります。
28,386円を短く説明するときに「全国平均」と表現されることがあります。しかし、この言い方だけでは、次の違いが抜け落ちます。
- 全国の登録支援機関を1社ずつ同じ重みで集計した平均ではない
- 2026年に取得した見積書を集計した平均ではない
- 初期費用、人材紹介料、在留申請に関する報酬まで含む総額ではない
- 支援内容、対応言語、訪問地域などを同条件にした価格比較ではない
この統計は、当時の許可申請で有償委託とされた外国人を1人単位で数えたものです。多くの外国人を支援する契約ほど集計人数に多く反映されます。そのため、社数ベースの料金表や、現在の新規見積もりの平均とは意味が異なります。
社内資料や稟議で使う場合は、「入管庁公表、2022年9月末、70,404人分、1人当たり月額、暫定値」まで併記すると、数字の範囲が伝わります。
平均額だけでなく、金額帯の分布も確認します。
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| 1人当たりの月額支援委託料 | 外国人数 | 構成比 |
|---|
| 5,000円以下 | 600人 | 0.9% |
| 5,000円超〜10,000円以下 | 4,515人 | 6.4% |
| 10,000円超〜15,000円以下 | 6,665人 | 9.5% |
| 15,000円超〜20,000円以下 | 17,781人 | 25.3% |
| 20,000円超〜25,000円以下 | 18,434人 | 26.2% |
| 25,000円超〜30,000円以下 | 14,322人 | 20.3% |
| 30,000円超 | 8,087人 | 11.5% |
| 合計 | 70,404人 | 100.0% |
出典:出入国在留管理庁「特定技能制度における登録支援機関への支援委託料の支払額」。構成比は資料掲載値で、丸めにより合計が一致しない場合があります。
最も多い帯は20,000円超〜25,000円以下の26.2%で、次が15,000円超〜20,000円以下の25.3%です。平均28,386円と最も多い帯が一致しないのは、30,000円を超える層などの影響を平均が受けるためです。
資料にある「3万円以下が約9割」は、70,404人を金額帯に分けた人数ベースの割合です。「全国の登録支援機関の約9割が現在3万円以下で提供している」という社数ベースの意味ではありません。
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| 分かること | この数字だけでは分からないこと |
|---|
| 2022年9月末時点の有償委託の月額分布 | 2026年の新規見積もりの平均 |
| 外国人1人当たりの平均と最頻帯 | 登録支援機関1社当たりの料金 |
| 30,000円以下に属する人数の割合 | 個別契約の支援範囲や品質 |
| 月額支援委託料の金額帯 | 初期費用、紹介料、申請報酬、交通費等の総額 |
この区別が必要なのは、見積書の金額が平均より高い、または低いというだけでは、契約条件の良し悪しを判断できないからです。全部委託か一部委託か、対応言語、訪問地域、夜間対応、別途費用、課金期間が違えば、月額も変わります。
現在の候補を比べるときは、公表統計を上限や標準料金として扱わず、同じ前提で見積もりを取り直します。
- 分野、地域、人数、採用予定時期をそろえる
- 新規採用、国内在留者の採用、支援先変更のどれかを伝える
- 初期費用、月額、都度費用、実費を分ける
- 月額に含む支援と別料金の支援を確認する
- 税込・税別、課金開始日、退職時の日割りを確認する
出入国在留管理庁の支援委託手数料に係る説明書は、義務的支援ごとの予定費用と徴収時期を示す参考様式です。様式に載る例示額を一律の料金表とは考えず、自社が受け取った説明書と契約書の内訳を照合してください。
ヤトエルが事業者本人から確認した月額・初期費用の回答と、1年間の総額の計算方法は登録支援機関の費用と相場に集約しています。この記事の28,386円とは、時点も集計方法も異なるため、同じ母集団の数字として混ぜません。
月額の比較では、1号特定技能外国人に必要な支援を継続できるかも確認します。定期面談は3か月に1回以上必要です。一方、2025年4月の制度改正後、定期届出は年1回となりました。面談と届出は別の業務です。
全部委託でも、受入企業側に確認や届出が残る場面があります。契約前に、面談の実施者、書類の作成者、提出者、相談時の連絡先を決めてください。
また、義務的支援にかかる費用を支援対象の外国人へ負担させることはできません。料金を抑える場合も、必要な支援を外したり本人へ転嫁したりするのではなく、業務の重複と別途費用を見直します。入管庁「雇用における注意点」
資料や稟議では、次のように出典条件を短く添えると誤読を防げます。
出入国在留管理庁公表資料によると、2022年9月末の特定技能外国人70,404人分の暫定集計で、登録支援機関への月額支援委託料は1人当たり平均28,386円。最も多い金額帯は20,000円超〜25,000円以下。現在の個別見積もりとは時点・条件が異なる。
平均額だけを引用せず、対象時点、人数ベース、暫定値、最頻帯を一緒に書くことが要点です。
平均28,386円は2026年の相場ですか?
いいえ。2022年9月末の特定技能外国人のうち、有償委託とされた70,404人分の月額を人数ベースで集計した暫定値です。現在の見積もりは別に確認してください。
全国の登録支援機関を社数で平均した数字ですか?
いいえ。登録支援機関の社数ではなく、特定技能外国人1人当たりの月額を集計しています。
28,386円に初期費用も含まれますか?
この数字は月額支援委託料の平均です。初期費用、人材紹介料、申請に関する報酬、交通費などを含む初年度総額ではありません。
平均より高ければ割高ですか?
金額だけでは判断できません。支援範囲、対応言語、地域、人数、別途費用、課金期間をそろえて比較します。