育成就労在留期間特定技能

育成就労は何年働ける?3年の内訳と、特定技能へつなぐときの数え方

内容確認基準日:2026-08-28

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この記事のポイント

  • 育成就労は原則3年。ただし農業・漁業の一時帰国期間(最大6か月)は3年に含まれない
  • 本人意向の転籍は分野ごとに1年から2年の制限期間を超えてから。3年いる保証ではない
  • 特定技能1号へ移るには技能と日本語の試験に合格が要る。技能実習のような免除は無い
  • 特定技能1号の通算は原則5年。育成就労と足して8年になるが、数え方は個別事情で変わる
  • 過去に特定技能の上限まで在留した人は、育成就労の対象にならない

育成就労の期間は原則3年である。

ただ、受入企業が本当に知りたいのは制度上の年数ではなく、「採用した人が自社に何年いてくれるか」のほうだろう。その答えは3年ではない。短くもなれば、長くもなる。

3年に「入らない」期間がある

出入国在留管理庁のQ&A(Q58)は、通算期間の数え方をこう説明している。

農業と漁業では、閑散期に本国へ一時帰国して育成就労を休止し、また来日して再開する計画を立てられる。このとき帰国していた期間は育成就労の期間に入らない。

帰国期間については育成就労の期間に含まれませんので、日本で育成就労に従事する期間が合計して3年になる育成就労計画を作成することとなります。

一時帰国は最大6か月で、時期は毎年同じでなければならない。仮に毎年6か月帰国する計画なら、日本で3年働き終えるまでに暦の上では4年半かかる。旅費は監理型なら監理支援機関の負担になる(Q18)。

季節性のない分野では、そもそもこの立て方が認められない。閑散期の帰国そのものは可能だが、その期間を除いた計画は組めない。

3年いても、自社に3年とは限らない

育成就労では本人の意向による転籍が認められる。ここが技能実習といちばん違うところで、期間の計算に直接効いてくる。

転籍には制限期間がある。Q50の説明はこうなっている。

転籍制限期間は各分野において定めることとしており、1年とすることを目指しつつも、当分の間、人材育成や人材確保等の観点を踏まえ、分野ごとに1年から2年の間で定められます。

つまり、分野によっては1年で転籍の要件が立ち上がる。自社の分野が何年なのかは分野別運用方針を見るしかない。制限期間が2年の分野なら、少なくとも2年は動かない。1年の分野なら、2年目から先は本人の判断が入る。

転籍にはほかの条件も付いている。一定水準の技能と日本語能力を修得していること、民間の職業紹介事業者の紹介を受けていないこと、転籍先が優良な受入機関であること、転籍先が転籍元に一定の金額を支払うこと。この金額は取次ぎと育成にかかった費用として告示で定める額に、転籍元での就労期間に応じた按分率をかけて出す(Q48)。

早く抜けられるほど、転籍元が受け取る額は大きくなる。初期費用が丸ごと消えるわけではない。

3年のあと、特定技能1号へ

育成就労は特定技能へつなぐことを前提に設計されている。3年で終わりではなく、そこからが本番と考えたほうが実態に近い。

ただし、つなぐには試験がいる。ここは技能実習と扱いが変わる。

技能実習2号から育成就労から
技能の試験良好修了で免除技能検定3級等または特定技能1号評価試験に合格
日本語の試験免除日本語能力A2相当以上(日本語能力試験N4等)に合格

Q75の記載である。免除が無くなるので、3年目に試験へ届いていなければ移行できない。日本語の目標は3年間を通じてA2相当とされており(Q63)、1年以内にA1相当の試験を受けることも求められる。試験は業務区分ごとに分野別運用方針で定まる。

落ちた場合の救いは一応ある。移行に必要な試験に不合格となったときは、最長1年の範囲で在留の継続が認められる可能性があるとされている。

3年を待たずに移行する道もある。Q76によれば、試験の要件を満たしたうえで、いま在籍している受入機関での就労期間が一定の期間を超えていれば、途中での移行が認められる方針である。この「一定の期間」の具体は公表資料に書かれていない。

通算では何年になるか

特定技能1号の通算在留期間は原則5年以内である。育成就労の3年と足せば8年になる計算だが、この足し算をそのまま社内の前提にはできない。

特定技能1号の5年には、就労していない期間や、移行待ちで「特定活動」だった期間も含まれる。産休・育休や長期の病欠は逆に含まれない扱いがあり、その場合は満了の概ね3か月前までに疎明資料を添えて申請しておく必要がある。数え方は特定技能の在留期間の記事 [blocked]で整理した。

過去に特定技能で在留していた人については、Q61にはっきり書かれている。

既に1号特定技能外国人としてその通算在留期間の上限まで在留しており、特定技能に移行する余地がない者などは育成就労外国人となることはできません。

元技能実習生も同じ考え方が及ぶ。2年以上の技能実習を行った人が再来日して、実習と異なる分野で育成就労に就くことは基本的にできない(Q77)。過去に日本で働いていた人を採る場合、その履歴を先に確認しないと、計画そのものが立たない。

採用の前に決めておくこと

年数の話は、採用のあとで調べるには遅い。

  1. 自社の分野の転籍制限期間が1年なのか2年なのかを、分野別運用方針で確認する
  2. 3年目の技能試験と日本語試験に、誰がどう合わせるかを決める。免除は無い
  3. 日本語のA2相当の講習を100時間以上受ける機会を、3年の中でいつ作るかを決める(Q64)
  4. 特定技能1号へ移す前提なら、その分野が特定技能の対象かを確かめる
  5. 過去に技能実習・特定技能で在留していた人かどうかを、採用の段階で聞く

在留期間の決定と更新は出入国在留管理庁の審査による。ここに書いたのは公表資料の記載であって、個別の可否を保証するものではない。判断が分かれそうな事案は、地方出入国在留管理局に相談するのが確実である。

出典

いずれも2026年8月28日に取得した。育成就労は2027年4月1日施行で、運用要領と分野別運用方針は現在も更新が続いている。申請の前に必ず原典を確認してほしい。

出典・参考(一次情報)

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