「監理団体は全国にいくつあるのか」と聞かれて、すぐ答えられる人は少ない。登録支援機関のように「1万を超える」という感覚もなければ、数十社の業界という感じもしない。数を知らないまま、紹介された1団体と話を進めてしまう受入企業は多い。
外国人技能実習機構(OTIT)が公表している監理団体の許可一覧を当社で取り込むと、全国で3,733団体だった。
登録支援機関が1万を超えていることを思えば、3分の1以下である。ただ、この数字だけを持ち帰っても使い道がない。大事なのは、この3,733が同じ資格の団体の集まりではないことのほうだ。
監理団体の許可には、一般監理事業と特定監理事業の2つの区分がある。名前が似ているうえに、どちらも「監理団体」と名乗れるので、外から見て区別がつかない。
一般監理事業
優良と認められた監理団体にだけ与えられる区分。技能実習3号(実習の4年目・5年目にあたる段階)を扱える。
特定監理事業
一般監理事業の基準を満たしていない監理団体の区分。技能実習3号は扱えない。
実務でいちばん効いてくるのは、3号を扱えるかどうかである。受け入れた実習生に3年目以降も働いてもらいたいと考えたとき、委託先が特定監理事業だと、その団体のままでは続けられない。3年たってから気づくと、団体を変える手続きと、本人への説明が同時に降ってくる。
先に見ておく
「3年で帰す前提だから関係ない」と考えていても、本人が延長を希望することはある。契約前に許可区分を見ておくと、後から選択肢が消えずに済む。
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一般監理事業が「優良な監理団体にだけ許可される」と聞くと、団体側が優良だと名乗っているだけではないか、と疑いたくなる。そうではない。区分そのものが許可の内容であり、機構が公表する一覧にどちらの区分かが書かれている。
つまり、パンフレットの言葉ではなく、公表された一覧で確かめられる。ここは受入企業にとって珍しく、相手の説明を信じなくてよい項目である。
確認先は、外国人技能実習機構が公開している監理団体の許可一覧である。団体名で探すと、許可の区分が載っている。
- 機構の「監理団体の許可一覧」を開く
- 提案を受けている団体の名称で探す
- 一般監理事業か特定監理事業かを見る
- 提案書に書かれている内容と食い違っていないかを見る
食い違いがあったら、その場で聞いたほうがよい。単なる書き間違いのこともあるが、説明の詰めが甘い相手だという情報にはなる。
数が多いことは、選べることを意味しない。実習生を受け入れたい地域と職種に対応している団体、いま新規の受け入れに手が回る団体、という2つの条件を重ねると、候補はかなり絞られる。逆に言えば、3,733という母数は、最初に会った1団体で決める理由がどこにもない、ということを示している。
そしてこの3,733は、これから形が変わる。育成就労制度では、監理団体にあたる立場が監理支援機関という新しい許可に置き換わる。いまの監理団体がそのまま横滑りするわけではなく、あらためて許可を受ける必要がある。3,733団体のうち何団体が移るのかは、まだ誰にも分からない。
委託先を選ぶ側にとって、当面いちばん実務的な問いは「この団体は移行の準備をしているか」である。数の話は、その問いに入るための入り口にすぎない。