育成就労計画は、技能実習計画にあたる文書である。ただし作り方が変わった。1号・2号・3号に分けて出していたものが、1本になる。
3年分を1本で出す
技能実習制度には1号から3号までの区分があり、移行のたびに計画を出し直していた。育成就労にこの区分はない(Q28)。
そのため、通算3年の育成就労について事前に計画を作り、外国人育成就労機構の認定を受ける。認定を出すのは同機構である。
3年分をはじめに描き切る必要があるということでもある。1年目の技能目標、2年目、3年目。日本語のA1受験時期とA2の講習。これらを申請時点で組んでおく。
計画に何を書くか
育成就労は特定技能1号水準の人材を育成することを目的にしている。そのため目標は、特定技能1号の在留資格を取るのに必要な技能と日本語能力に置かれる(Q13)。
技能については、技能検定3級や特定技能1号評価試験などの技能試験への合格。日本語については、日本語教育参照枠A2相当の試験への合格。分野の特性に応じて、A2より高い水準が求められる場合もある。
具体的にどの試験を使うかは、主たる技能ごとに分野別運用方針などで定められている。自社の業務区分に対応する試験を確認してから計画を書く。
業務の組み方にも縛りがある。主たる技能を修得するのに必要な必須業務に、全体の就労時間の3分の1以上従事させること(Q14)。残りは同じ業務区分の範囲内で、必須業務に関連する業務に充てられる(Q15)。
申請はもう始まっている
施行日は2027年4月1日だが、申請は前倒しで受け付けられている。
監理支援機関の許可は2026年4月15日から。育成就労計画の認定は2026年9月1日から(Q3・Q8)。申請の詳細は外国人技能実習機構のサイトに出ている(Q5・Q6)。
計画の認定申請には、認定を受けた監理支援機関が関わる。監理型で受け入れるなら、委託先が許可を取れているかどうかが先に効いてくる。
一時帰国の扱いに注意がいる
閑散期に本国へ一時帰国させること自体は可能である。ただし、帰国期間を計画から除いて立てることはできない(Q18)。3年の中に帰国期間が含まれる形になる。
例外が農業と漁業にある。季節性があって通年就労が難しい分野として、労働者派遣形態が認められる分野に限り、1年ごとに閑散期に一時帰国して育成就労を休止し、再来日して続ける計画を立てられる。
この場合、一時帰国の時期は毎年同じでなければならない。帰国期間は育成就労の期間に含まれないため、日本で働く期間が合計3年になるように計画を組む。一時帰国は最大6か月まで。旅費は、単独型なら受入機関、監理型なら監理支援機関が負担する。
派遣で受け入れるとき
派遣元と派遣先が共同で育成就労計画を作成し、認定を受けることで、派遣の形で育成就労を実施できる(Q17)。対象は農業分野と漁業分野。
認定を受ける際には、あらかじめ派遣先ごとに派遣時期を定めておく必要がある。派遣先を後から差し替える運用は想定されていない。
途中で特定技能に移れるか
移れる場合がある。特定技能への移行要件である技能と日本語能力の試験に合格したうえで、現に在籍している受入機関での就労期間が一定の期間を超えている場合に限り、育成就労の途中でも特定技能1号への移行を認める方針が示されている(Q76)。
3年を終えても試験に受からなかった場合の扱いも決まっている。最長1年の範囲で、一定の在留継続を認める方針である(Q11)。
計画を出す前に確かめる4つ
自社の分野と業務区分が育成就労産業分野に入っているか。技能実習2号の対象だったのに外れた職種が3つある(Q30)。
受入機関としての要件を満たすか。過去1年以内に受入機関または監理支援機関の責めに帰すべき事由で行方不明者を出していないこと、同種の業務に従事していた労働者を離職させていないこと、労働・社会保険・租税に関する法令を守っていること、分野別協議会に加入していることなどが並ぶ(Q40)。
人数枠に収まるか。技能実習1号・2号の在籍者も頭数に入る(Q41)。
委託先の監理支援機関が許可を取れているか。技能実習の監理団体は自動では監理支援機関にならない(Q33)。
よくある質問
計画を作るのは受入企業ですか、監理支援機関ですか。
認定を受けるのは受入機関(育成就労実施者)である。監理型では監理支援機関が関与する。派遣形態の農業・漁業では、派遣元と派遣先が共同で作成する(Q17)。
認定はどこが出しますか。
外国人育成就労機構である(Q28)。
技能実習計画をそのまま使えますか。
使えない。1号から3号までの区分がなくなり、通算3年分を1本にまとめる形に変わっている(Q28)。
ヤトエルでは、監理支援機関への移行状況が分かる監理団体の一覧を公開している。計画の認定申請を進める前に、委託先の状況を確かめてほしい。