自社の仕事が育成就労の対象に入るかどうかは、分野別運用方針を見れば分かる。2026年1月23日に閣議決定されたもので、学識経験者と労使団体などの有識者会議の意見を聴いて決めている(Q12)。
見落としやすいのはここだ。技能実習2号移行対象職種であっても、育成就労産業分野の対象にならなかった職種がある。
クリーニング職種のうち一般家庭用クリーニング作業、空港グランドハンドリング職種、ボイラーメンテナンス職種のうちボイラーメンテナンス作業。この3つが対象外になった(Q30)。
追加の余地は残されている。これらを育成就労産業分野に加える必要があるかどうかは、分野を所管する行政機関が引き続き検討する、と書かれている。ただし時期は示されていない。
技能実習でこの3職種を受け入れてきた企業は、2027年4月以降の受け入れ方法を別に考えることになる。特定技能に該当する区分があるか、分野所管省庁に確認するのが先になる。
技能実習でも同じだったが、育成就労でも分野をまたいだ就労はできない。「夏は農業、冬は漁業」という形は認められていない(Q16)。人材育成の一貫性を確保する、というのが理由である。
季節性のある業務については別の逃げ道が用意されている。農業分野と漁業分野に限り、1年ごとに閑散期に本国へ一時帰国して育成就労を休止し、再来日して続ける計画を立てられる(Q18)。一時帰国の時期は毎年同じである必要があり、帰国期間は育成就労の期間に含まれない。日本での就労が合計3年になるように計画を組む。
一時帰国は最大6か月まで。旅費は、単独型なら受入機関、監理型なら監理支援機関の負担になる。
「主たる技能を定めて育成する」という書き方がされている。中身は単純で、その技能を身につけるのに必要な「必須業務」に、全体の就労時間の3分の1以上従事させること(Q14)。
残りの時間は、同じ業務区分の範囲内で、必須業務と関連する業務に充てられる(Q15)。技能実習の必須業務・関連業務・周辺業務という3層の考え方に近い。
同じ業務区分の中であれば、転籍のときに異なる主たる技能へ変えられるかどうかは、Q&Aに設問が立っている(Q52)。分野別の取り扱いを確認しておきたい。
派遣元と派遣先が共同で育成就労計画を作り、認定を受ければ、派遣の形で育成就労を実施できる。ただし、季節性のある業務を含む分野に限られていて、具体的には農業分野と漁業分野である(Q17)。
計画の認定を受けるときには、あらかじめ派遣先ごとに派遣時期を決めておく必要がある。派遣先が後から変わる前提の運用はできない。
分野ごとに受入見込数(受入上限数)が設定されている。特定技能1号と育成就労を合わせて、2028年度末までに約123万人。内訳は特定技能1号が80万5,700人、育成就労が42万6,200人である(Q20)。
これは現在の在留者数に上乗せする数ではなく、上限の総計である。分野の在留者数が上限を超えそうになると、育成就労計画の認定が一時停止する(Q22)。
技能実習の企業単独型・団体監理型にあたる区分は、育成就労でも残る。外国の支店や子会社の社員などを受け入れる「単独型育成就労」と、監理支援機関が関与する「監理型育成就労」の2つ(Q26)。
受け入れられる外国人の範囲は、技能実習の企業単独型と育成就労の単独型で違いがある。海外子会社から研修目的で受け入れてきた企業は、ここを確認しておく必要がある(Q27)。
なお、技能実習の1号から3号までの区分は育成就労にはない。通算3年ぶんの計画を1本作って、外国人育成就労機構の認定を受ける形になる(Q28)。
自社の業務区分がどれになるか分かりません。
各分野の業務区分の詳細は、分野を所管する省庁が持っている。出入国在留管理庁のQ&Aも、業務区分の詳細は分野所管省庁に問い合わせるよう案内している(Q12)。
技能実習2号の対象職種なら、そのまま育成就労にも入りますか。
入らない職種が3つある。クリーニングの一般家庭用クリーニング作業、空港グランドハンドリング、ボイラーメンテナンスのボイラーメンテナンス作業(Q30)。
育成就労の目標として何が求められますか。
技能は技能検定3級や特定技能1号評価試験などへの合格、日本語は日本語教育参照枠A2相当の試験への合格である。分野によってはA2より高い水準が定められる(Q13)。
ヤトエルでは、分野と地域から支援機関・監理支援機関を絞り込める一覧を用意している。自社の業務区分に対応できる先を探すときに使える。