キャリアアップ助成金は外国人労働者にも使える?正社員化コースの適用条件

キャリアアップ助成金(正社員化コース)は、有期雇用労働者を正社員化した中小企業に1人あたり最大80万円を支給する制度で、要件を満たせば外国人労働者も対象になりえます。ただし在留資格の範囲内での雇用が前提となるため、資格ごとの適用の考え方を整理しました。

内容確認基準日:2026年7月18日執筆:ヤトエル編集部(ubusuna works)出典:厚生労働省

制度の概要と金額

所管厚生労働省(申請窓口は都道府県労働局・ハローワーク)
対象事業主キャリアアップ計画の認定を受け、有期雇用労働者等を正社員化した事業主
支給額の目安中小企業:1人あたり最大80万円(重点支援対象者・2期に分けて支給)。区分により40万円等
主な要件計画の事前提出/正社員転換制度の就業規則等への規定/転換後6か月の賃金3%以上増額
対象労働者6か月以上雇用している有期雇用労働者等(国籍は問わない)

掲載している助成金・支援制度は、入力いただいた条件から該当する可能性のあるものを整理した参考情報です。支給の可否は各制度の要件充足と労働局・ハローワーク等の審査により決定されるため、受給を保証するものではありません。金額・要件は改定される場合があるため、必ず公式サイトで最新の支給要領をご確認ください。

外国人労働者は対象になるのか

キャリアアップ助成金に国籍による除外規定はありません。雇用保険被保険者であり、対象労働者の要件(6か月以上の有期雇用など)を満たせば、外国人労働者の正社員転換も支給対象になりえます。

一方で、外国人雇用に固有の論点として在留資格との整合性があります。転換後の業務内容・雇用形態が在留資格の許容範囲を超える場合、そもそも就労が認められません。また在留期間に上限がある資格では、長期の正社員雇用計画と期間のミスマッチが生じないよう注意が必要です。

在留資格別の適用の考え方

在留資格正社員化
コース
処遇改善
支援コース
厚生労働省Q&Aの説明
技能実習生×○正社員化コースは対象外です。帰国することが前提の制度であるためと明記されています。処遇改善支援の各コースは対象になり得ます。
特定技能1号×○正社員化コースは対象外です。在留期間が通算5年で更新できず、帰国が前提となっているためと明記されています。無期雇用契約を結ぶこと自体は可能ですが、この助成金は出ません。処遇改善支援の各コースは対象になり得ます。
特定技能2号○○在留期間に上限がなく更新できるため、正社員化コースも対象になり得ます。
技術・人文知識・国際業務など就労目的の在留資格○○有期契約社員として雇用している場合の正社員転換は、日本人と同様に対象になり得ます。
永住者・定住者○○いずれのコースも対象になり得ます。
特定活動(EPA受入れ人材・看護師/介護福祉士)△○試験に合格した場合は正社員化コースも対象になり得ますが、合格前の候補者は対象外です(在留期間に上限があるため)。
育成就労(2027年4月施行)——Q&Aにはまだ記載がありません。技能実習の後継として原則3年で特定技能1号への移行を目指す制度であるため、上の2つと同じ扱いになる可能性がありますが、当社では確認できていません。
留学(資格外活動)・家族滞在——就労時間に制限があるため、そもそもフルタイムの正社員転換ができません。在留資格の変更(就労資格への切り替え)が先に必要です。

個別のケースが対象になるかは、管轄労働局への事前相談と、在留資格については出入国在留管理庁・行政書士等への確認をおすすめします。特定技能の受け入れ全体の流れは育成就労・特定技能ガイドもご参照ください。

申請の流れ

1. キャリアアップ計画の作成・提出
転換の対象・時期・取り組みを計画にまとめ、転換実施前に労働局へ提出して認定を受けます。
2. 正社員転換制度の規定
就業規則等に転換制度を規定します(未規定の場合は改定が必要です)。
3. 転換の実施と6か月の賃金支払い
試験等の手続きを経て正社員へ転換し、転換前より3%以上増額した賃金を6か月分支払います。
4. 支給申請
転換後6か月分の賃金支払日の翌日から2か月以内に支給申請を行います。

よくある質問

外国人労働者でもキャリアアップ助成金の対象になりますか?

国籍で除外されることはありませんが、在留資格によって可否が分かれます。正社員化コースは、技能実習生と特定技能1号が対象外です(厚生労働省Q&A Q-6)。理由はどちらも帰国することが前提の制度だからで、雇用契約の結び方で解決できるものではありません。一方、処遇改善支援の各コース(賃金規定等改定・共通化・賞与退職金・短時間労働者労働時間延長支援)は、技能実習生も特定技能1号も対象になり得ます。特定技能2号・永住者・定住者・就労目的の在留資格は、いずれのコースも対象になり得ます。

支給額はいくらですか?

正社員化コースでは、有期雇用労働者を正社員化した場合、中小企業で1人あたり80万円(重点支援対象者、2期に分けて支給)が目安です。重点支援対象者以外や大企業では金額が異なります。年度により金額・区分が改定されるため最新の資料をご確認ください。

申請前に何が必要ですか?

転換を実施する前に「キャリアアップ計画」を作成し、労働局へ提出して認定を受ける必要があります。また、正社員転換制度を就業規則等に規定しておくこと、転換後6か月の賃金を転換前より3%以上増額することが求められます。

特定技能1号を正社員にすれば、キャリアアップ助成金は出ますか?

出ません。正社員化コースは特定技能1号を対象外としています(厚生労働省Q&A Q-6・令和8年4月8日版)。在留期間が通算5年で更新できず、帰国が前提となっているためです。労働契約として無期雇用を結ぶこと自体は可能ですが、この助成金の対象にはなりません。助成金を見込むなら、特定技能2号への移行後の転換か、処遇改善支援の各コース(特定技能1号も対象になり得ます)をご検討ください。

出典(一次情報)

他の制度は助成金ガイド(一覧比較)をご覧ください。

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